小説広場part5

何で、わたしたちが選ばれたんだろうって、他の冒険者たちを見ながら思う。他は、屈強そうな、筋肉隆々な強者揃いなのに。わたしたちのパーティは、ただの家族でしょ?それに比べたら、やっぱりプロの人たちってすごいなぁと思う。でもまぁ、皆けんか早そうだったから、温厚な面で選ばれたのかも。
 ところで、春の精って、何処にいるんだろう……。そりゃね、それが分かれば苦労しないのよ。でも、普段どこにいたのかさえ知らなかったんだから、どうしようもない。とりあえず、春の精がいそうな……そう、例えばお花畑とかね。花関連の所をうろちょろ周ってみることにしたの。それで、その花畑の近くの原っぱで野宿をすることにした。
 あー、やっと本文に戻れる。何枚使ったんだろう、紙。
「リメア。どうしたの?いつも早起きなのに、珍しいね」
 やっと起きたリメアに問いただすと、彼女は眠そうに答えた。
「夢を見た。春の精が邪悪な怪物に殺される夢。周りには、他の夏、秋、冬の精たちもいて、必死に怪物を殺ろうとしてた」
 彼女は普段、無口で必要なこと以外はしゃべらない。おまけに、「殺る」なんて物騒な言葉を平気で使う。あ、この「殺る」の読み方は「ヤる」ね。殺すって意味。
 リメアの夢は、よく正夢になる。正夢といっても、その夢が、過去のことか、未来のことか分からない。はたまた現在だったりしてね。